「あー、楽しかった」
「そうっすね」
「お料理もおいしかったし、シャンパン!丈さんのあれ、かっこよかったあ。浩輔さんもできるんですか?」
「やー、あんなスパっとはいかないっすね、たぶん」
「そんなもんなんです?」
「そんなもんです――タクシー通らねえな。駅まで行くか。歩けます?」
「浩輔さんこそ」
「いや、お恥ずかしい……あの、雪絵さん」
「はい」
「あの、ですね」
「はいはい」
「こんな情けない俺だけど、その、改めて、付き合ってくれませんか?」
「あは」
「え?」
「やだ、もう付き合ってると思ってました」
「え、は、はは、まじすか」
「まじです。じゃあ、改めて、よろしくお願いします?」
「――よろしくお願いします!」